COLUMNコラム

令和5年4月より施行される改正民法

近年空き家問題がよくニュースでも取り上げられるようになりました。

北海道では被相続人が亡くなった後に相続した人が居住も取り壊しもせず、そのままにされている建物が雪で倒壊したというニュースがたびたび流れてきます。

建物に限らず土地についても相続が発生したあと長年放置され所有者がわからず、その間に相続人が膨れ上がり分割協議も登記もできない状態になっている不動産というのが問題になっています。

これらの問題に対応するため、令和5年4月より所有者不明土地の解消に向けて不動産に関する法律の改正が以下のとおり施行されます。

令和5年4月1日施行  土地・建物に特化した財産管理制度の創設

令和5年4月1日施行  共有制度の見直し

令和5年4月1日施行  遺産分割に関する新たなルールの導入

令和5年4月1日施行  相隣関係の見直し

令和5年4月27日施行  相続土地国庫帰属制度

これらは不動産の活用を妨げている問題を解消するために施行されるという背景があります。

例えば遺産分割に関する新たなルールの導入は、被相続人の死亡から10年を経過する遺産分割は法定相続分又は指定相続分によって画一的に行うこととなります。現在分割が進んでいない相続については5年の猶予期間が設けられますが、今後発生する相続についても早めに遺産分割を整える必要があります。

また、令和6年4月からは相続登記が義務化されます。今までは相続が発生したときに相続の登記をすることは義務ではありませんでした。登記をしようとすると司法書士手数料・登録免許税などがかかるため利用価値が乏しい土地については積極的に登記を行う必要がありませんでしたが、それが現在の所有者が不明な土地が多数発生する要因にもなってしまったと言われています。

身内が亡くなると慣れない手続きに追われてあっという間に時間が過ぎてしまうと思います。ですが行政手続きには期限があり、準確定申告の申告期限は被相続人が亡くなったことを知ってから4か月・相続税申告の申告期限は10か月と期限はどんどん迫ってきます。 相続が発生して申告期限があるのはわかっているけど具体的に何をしたらいいかわからないなどがありましたら当事務所までお気軽にご相談ください。